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総額200万円! 映像制作プロの業務用PC自作を手伝う

自作とはいえ、なんともスーパーな内容w
映像系はまだまだ一般PCでは仕事に流用は難しいのか…


iPhoneから送信

 

ゴールデンウィークが迫るなか、友人から「作業用のごっついPCを自作するから取材してみない?」と連絡あった。

その友人は映像制作を行なっており、名前を岡田太一という。深夜のアニメフィーバータイムで流れるCMや大人の事情でいえないけど、みんな見たことがありそうな映像に多々関わっている。代表的なものは、Google Chrome: Hatsune Miku (初音ミク)。これはASCII.jp読者ならば多くが見ているものだろう。

岡田太一氏。株式会社スタッド代表取締役。同社はフリーランスのクリエイターが所属するクリエイティブ・ブティック。映像制作、3DCG制作、音楽制作など、幅広くコンテンツ制作を手がけている

上の映像が「Google Chrome: Hatsune Miku (初音ミク)」のTV CM。公開日に岡田氏とお酒を飲んでいたところ「ようやくいえるぞーこれやってたんだよー!」と言われた。なお筆者、このとき岡田氏が映像の仕事してると初めて知った。元は同人誌方面での出会いであった。というか、このときまではTwitterで女体の神秘について語り合う間柄だったわけだが……。

映像現場で使用されるPCにどれくらいのスペックがいるのか。身近なものを挙げるとエンコードがある。まだまだ時間のかかるプロセスに含まれており、4K2K時代に入ろうとしているのを考えると、相当なスペックが必要だと推測できる。また録画にしてもAVI形式で録画をしようものなら、ストレージが一瞬で埋まってしまう。このあたりは、多くのPCユーザーが体験したことがあるだろう。そのあたり、最前線の環境はどうなんだろうと気になったので、ほいほいと取材しにいくことにした。

事務所に行ったら、ででんと積まれていたパーツ群。GeForce TITANが4枚ある時点でだいぶ遠い世界のパーツ構成の香りがする

ワークステーションじゃダメなの?

最近の自作PCの傾向をおさらいしてみよう。元々は出来合いのPCよりも低価格で済み、かつ構成を自由にできるメリットがあったが、昨今ではBTOのほうが安かったりするため、自分にとって都合のいい環境を構築したり、趣味で増強しまくるのをしやすくするためといった要素が強くなっている。

実際のところ、筆者が行なう作業を見てみるとスペックを要求される作業はPCゲームのほかは、RAWデータの現像や紙媒体向けのTIFFファイルのレタッチくらいだ。それでも徹底的なハイエンドである必要はなく、CPUは「Phenom II X6 1055T」、メモリー32GB、GPUは「Radeon HD 7870」、ストレージはトータル16TBくらい、といったマイルドな構成で過不足なく作業している。

メモリーとストレージが重要になっているため、PCゲームを含めない場合は、スペックダウンを狙うことも可能だ。でも「ゲームもしたいし~」という要求を満たせるのは、やはり自作PCの魅力といえる。ただかつてのように、ハイスペック至上主義という流れではなくなっている。それだけPC用途が多岐にわたり、かつ普及したということでもあるが、よくも悪くも車のカスタマイズに似ている状況といえるだろう。

岡田氏がこれまでメインとして使用していたHP製「Z800」。CPUは「Xeon X5675」、メモリーはDDR3-1333 96GB、GPUはNVIDIA「Quadro4000」+「GeFroce GTX 680」。購入当時から中身はだいぶ変わっているとのこと。フルHDソースの処理はZ800改で追いついているが、PCI Expressのレーンのなさと電源が足りないため、先を考えて今回の自作を決意したもよう

業務用PCの多くは、各社が用意しているワークスステーションを導入する事例が多いなか、なぜ自作することにしたのかが気になった。組み立てスタンバイOKのパーツを眺めつつ、率直にその質問をぶつけてみたところ

「その形で導入すると、都内でマンション買えちゃうんだもん……自作したら200万くらいで済むし、好きな構成にできるし」
「4K2Kのソースをリアルタイム処理できないといけないし」
「あとスロット全部埋めたかったし」

と、とてもわかりやすい答えが帰ってきた。「自作したほうが安い」は超絶ハイエンドレイヤーでいまだ健在というわけだ。もちろん、そうしなければならない理由は、後述のベンチマーク祭り部分で触れていくとして、まずは構成パーツを見ていこう。

※:あまり縁の無い世界なので補足しておくと、ソフト込みで動作保証して納入するシステムインテグレーターの場合は、都内のマンションが購入できる金額になる。PC本体のみの場合は、都外あたりでマンションが買えそうな価格だが、ソフト(下手するとソフトのほうが高い)や専用ハードウェアデバイスを含めると、上記のように最終的にはごっついお値段になってしまう。

今回のために用意されたパーツたち。総額約200万円だ
Palit「GeFroce GTX TITAN」×4 Intel「Xeon E5-2687W」×2
Crucial製SSD「M500」480GB×9。ひとつはシステム用、残りはRAID用 センチュリーマイクロ「240-pin registered DIMM PC3-12800/DDR3-160 Rank2」×16。トータル256GB
Adaptec ASR-71605 SingleとバッテリーユニットのAFM-700 SuperMicroのベアボーン「SYS-7047GR-TRF」。発注時に世界に16台しかなかったとか
ATXケースよりも奥行があり、462㎜×178㎜×673㎜と大きい。重量も28.1㎏で、2人がかりで段ボールから引っ張り出した 付属のCPUクーラー。ステキにごっつい
Crucial M500 480GBをマウントするためのスペーサーには、ICYDOCK「MB882SP-1S-1B」を用意 グリスはいつもお世話になっているAINEXのシルバーグリス。これまでの自作でお世話になってきたことが、採用理由とのこと

 

 

映像作業に必要なスペックを考えた結果、自作したほうが安いからで、今回のゴージャス構成にした岡田氏だが、単純に自作が好きなのも理由のひとつになっている。楽しそうに開封していく様子をここではお伝えしていく。

「SYS-7047GR-TRF」内部。搭載されているマザーボードはSupermicro「X9DRG-QF」。一方向エアフローでとてもわかりやすい。またケース中央にファンが4基並ぶ。一見、弄りにくそうに見えるが、使い勝手のいいレイアウトに仕上がっている

総額200万円ほどの業務用PCといえども、組み上げていくお作法に違いはない。静電気に気を付けつつ、ピンを折らないように慎重に、エアフローを乱さぬようケーブルはすっきりと、などなどのお約束展開だったのだが……岡田氏と筆者は、Supermicro製ケースとマザーボードは初見であり、「電源ほそーい!」だとか「ファンがいっぱいじゃー!」だとか「エアフローわかりやすいな~」などなど、ただの自作ボーイ状態だった。

※編注:自作歴が長くなってくると、静電気対策がおろそかになりがちなので、この2人みたいにノー対策で組み立てるのは止めましょう。

ケース中央にある4基のファンはいずれも山洋電気製 4基のファンはプラグインタイプで、取り外し・取り付けがラクチン。ATX方面にもほしい規格だ
サーバー用マザーボードとしてはすっきりしたレイアウトだが、4ピンの位置はだいぶ凶悪 「SYS-7047GR-TRF」にセットされていたSATAケーブルから、Adaptec「ACK-I-HDmSAS-4SATA-SB-.8M」に交換したところ。細く堅めのケーブルだが、ケース端を這わせるのにちょうどいい。養生テープも少な目で済む
サーバー電源は2つ。100-120Vエリアで1本1000W。最大2000Wまで対応。80PLUS PLATIUM認証を取得しているが、それ以上に起動中に片方を抜いてもビープ音を発しつつも動作するあたりがステキ。もちろん、そのまま戻せば電源は復帰する 配線がしやすいように、ファンレーンの下部にはケーブル通し穴が多数ある
CPUソケットはLGA 2011 16GBモジュール×16をセット。いい眺め
CPUクーラーを取り付け。バックプレート不要で、4ヵ所をねじ止めで固定するタイプ PCI-Express x8接続のAdaptec製RAIDカード「RAID 71605 ASR-71605 Single」をセット
「GeForce GTX TITAN」4枚を接続。かなりゴージャスな写真だ ひと通り必要なパーツを接続した状態。ほどよいみっしり感で大変よろしい

BIOSが見えないよ~!

自作PC歴の長い岡田氏と筆者は、「Supermicroのケース使いやすいよねー」とか、ケース内配線とエアフローを話し合ったりしながら、各種パーツの取り付けを終えた。最近の自作PCでは、昔ほど激しい相性問題が生じにくくなっているため、まず一発起動が多いのだが、モニターには“NO SIGNAL”の文字が……。

通電するもピクリともしない件について。BIOSも出てこない状態が続いた。こういうときは最少構成にしてみるのがお約束

Windows 8だと最少構成でなくてもあっさり起動が多いため、はてさてとパーツの差し直しや電源の差し忘れがないか確認してリトライを幾度か繰り返した。ところが最少構成でもBIOSが表示されない。

「マニュアル見ないでがんばる主義はもうやめよう!」

※編注:マニュアルは組み立て前に読みましょう。ベテランほどこのルールを破りがちです。

そこで、Supermicroサイトからマニュアルをダウンロード。お互いタブレット端末を見ながら、関連項目をチェック。同社のマニュアルはとてもわかりやすく「この順にやれ」といわんばかりの構成になっている。結局、パーツの問題ではなく、ゲーミングキーボードを差していたのがそもそもの原因だった。自作ではよくあることだ。

最少構成にしてもBIOSが表示されないため、マニュアルをタブレット端末で確認。Supermicroのマニュアルはものすごく流れがわかりやすい
ジャンパーピンの設定を変更したり、CMOSをクリアしてみたりしている間に起動。原因はCORSAIR製ゲーミングキーボードだった。通常のUSBポートに加えて、もうひとつUSBポートがあったのが原因のようだ
BIOSメニューは、店舗でよく見るBIOSと比べるとかなりすっきりしている。オーバークロックモードといった類はない BIOS側からメモリー256GBを確認。後述するが、これだけ広大なメモリー領域があっても、速攻で埋まってしまう映像制作の世界は大変なのだ

 

システムインストール以降に落ちまくり

DSP版「Windows 8 Pro」のインストールに1回失敗し、メモリー大丈夫かな~と思っていたところ、落ちまくる現象が続いた。Windows 8 Proのシビアな割り込みチェックによる“DPC_WATCHDOG_VIOLATION”かとコマンドプロンプトからタイミングの書き換えを実行(Windows Updateを最新にするとこれをする必要はない)。

UEFIでWindows 8 Proをインストール。ガチガチの自作っ娘であるらしい、窓辺あいが好きそうな展開である。ちなみに筆者は自作応援キャラクターでありながら、ごろごろしたりやたらとタブレットデバイスに詳しかったりする窓辺ゆう派だ

しかし、以降も急に電源ごと落ちるため、イベントビューワーを見たところ、メモリーエラーの訂正ログが連発していた。これはメモリーにハズレありの可能性を疑うのだが……BUYMORE秋葉原本店にて購入時点で動作チェック済みのものなので、その可能性は低い。

となると、やることはメモリースロットとメモリーを1本ずつチェックの作業だ。メモリースロットは1本の場合、セットする場所が決まっているため、まずはメモリー1本からスタート。まずは普通に起動させてから、Prime95とFurMark、CrystalDiskMarkを走らせつつ、イベントビューワーに対してF5アタック。およそI/Oが最高負荷の状態になるため、短時間で不具合を洗い出しやすい。

Prime95とFurMark、CrystalDiskMarkを走らせつつ、イベントビューワーに対してF5アタックの図。あんまりやるとハードが昇天することもあるので気を付けて。なおこのときは、CPU×1の最少状態で確認しているところ

1本、2本、4本ではメモリー訂正エラーは発生せず、6本目に入ったところでメモリー訂正エラーが発生。そのメモリーがハズレ? とmemtestを走らせたところ、途中でmemtestが停止した。この場合は、メモリーよりもBIOSの設定かメモリースロットの物理的な問題である可能性が高い。とりあえず、BIOSメニューとにらめっこ開始。

気になったのは、Channel InterleavingとRank Interleavingの2つ。デフォルトではAutoなのだが、「このAutoが悪さしてるんじゃない?」と変更開始。この2つの項目はコンシューマー向けマザーボードにもあり、Channel Interleavingを2wayにすると、いわゆるデュアルチャンネルになる。

Channel InterleavingとRank Interleavingの設定をAutoから、Channel Interleavingを1Wayに、Rank Interleavingを2Wayにしたところ、ド安定

今回のマザーボードだと、1way、2way、3way、4way。選択したのは、1way。次にRank Interleaving。これはメモリー単体側のことで、メモリーのスペックに見かける「Rank2」などで「Rank2」ならば「2Way」ということになる。今回購入したメモリーはRank2なので、2Wayに設定。それが正解だったようで、以降はメモリーエラー訂正ログは出現せず。Channel Interleavingを2Wayや4Wayにする場合は、もっと質のいいメモリーがいるのだろうか……。

4way SLIしたいよね!

当初はGPUサーバーとして考えていたため、SLIは視野になかったが、ベンチマークを実行する必要だよねと、SLIブリッジケーブルを求めて秋葉原へ。

※編注:4Way SLIのチャンスは滅多にないので、このベンチマークは編集部命令です。またPCパーツを買いに行く時は、買い忘れを防ぐために必要なパーツを紙に書き出しておきましょう。

筆者の記憶だと、SLIブリッジケーブルは単品でも販売されているはずだったが、ショップ店員さん曰く、本来はマザーボードやGPUに付属するもので、最近は単品で入荷しないとのこと。

パソコンショップ アークにならあるかと思ったが、行ってみたらすでに閉店時間になっていた。そのため、緊急回避手段としてTSUKUMO DOS/V館でSLIブリッジケーブル(2Way、3Way、4Way)が付属したGIGABYTE製マザー「GA-X79-UD3」(中古で約5000円)と、つくもたんクリアファイルをゲット。

ともあれ、SLIブリッジケーブルが単品で販売されていたら、積極的に保護しておきたいところだ。なおマザーボードは筆者の保守パーツ行きである。

相性保障交換品だったようで、ほぼ新品状態のGIGABYTE「GA-X79-UD3」。そういえば、昔オーバークロック関連の不都合でリコールがあったマザーだ。とはいえ、オーバークロックしなければ問題ない GIGABYTE「X79-UD3」に付属する4Way SLI用ブリッジカード。これが欲しくてマザーを買ったわけだ
あっさり認識するだろうと、とりあえず見た目も楽しい4Way状態に 悲しいことに「SYS-7047GR-TRF」はSLI非対応。2Wayすらダメだった。この時点で組み立て開始から20時間経過である。だからこうなる前にマニュアルを読めと……

 

GPUサーバー状態での
ベンチマーク結果

SLI 4Wayは見ておきたいということで、GIGABYTE「X79-UD3」でのチェックを思いつき、編集部にCPUやらもろもろPCパーツの送付を依頼。到着までの間は、ほぼGPUサーバー状態の「SYS-7047GR-TRF」の挙動チェックや消費電力の確認をしていた。

ブート開始時の消費電力は、250W前後 起動中には400Wに到達 起動完了で300W前後。アイドルは250W前後だった。意外と大人しいが3DMARKを回してみたところ、消費電力は600W台に突入した

SLIを組んでいない状態なので、OS側からはシングルGPUとして認識され、残る3本のTITANは寝ている状態だ。物理演算などCUDAを利用する場合、アプリケーションによってはフル回転になるといった具合だ。

SLIではない状態でTITAN×4の3DMARKを実行。PhysXのスコアはCPUのみに比べるとたいぶ高くなっているが、シングルGPUとしてのTITAN×1、物理演算ボードとしてのTITAN×1の状態だ。ドライバーのバージョンはGeForce 314.09

CINEBENCHの結果
CPUの結果がかなりステキ

CINEBENCHの結果。CPUの結果がかなりステキ Windowsエクスペリエンスインデックスの結果。総じてスコアは高い
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編、最高設定のベンチマーク結果。平均フレームレートは71.029fps PCMARK 7の結果。極めての普通のスコアだった

ストレージの転送速度と
大量のメモリーが必要なワケ

冒頭に登場したCrucial製SSD「M500」の480GB×9だが、システム用の1つを残してあとはRAID用になる。SASカードであるAdaptec「RAID 71605 ASR-71605 Single」には、キャッシュとして1024MBが搭載されている。そのため、HDDでも読み書きは快適になるのだが、映像の場合、1ファイルあたりのサイズが大きく、SASボードのキャッシュはあまり意味がなく、ストレージ側の地の力が重要になってくる。そこでまずは、CrystalDiskMark 3.0.2とBlackmagic Disk speed testの結果を見てみよう。

CrystalDiskMark 3.0.2の結果。どの項目もやたらと高くなっているが、重要なのはシーケンシャル。これはファイルサイズが大きいだけでなく、断片化しないこともある。アプリによってはストレージにキャッシュを吐き出すため、その読み込みのために重要な要素だ。なお構築したのはRAID 0だ

映像業界では、最低でもリード・ライトともに1GB/secが必要なのだそうだ。5Kのソースは、形式や設定で解像度などで変わる部分はあるが、おおむね、800Mbps必要なのだ。となると、余力も必要になるし、同時に編集作業となるとよりストレージのスピードは、あったほうがいいことになる。

岡田氏が単純に自作マニアで、500MB/secほど余分に持ち上げている感もあるが、テクノロジーの進歩を考えると、3年後にはこのスペックでも厳しい状況になっているかもしれない。

Blackmagic Disk speed testの結果。2Kまでクリアしている。CrystalDiskMark 3.0.2の結果からすると、ものにもよるが5K用データは、最低でも850MB/secが必要になるそうだ。こちらもRAID 0

次に256GBの膨大なメモリー領域について触れてみよう。一般的な用途で考えると、まず不要なレベルともいえる。映像方面ではプロジェクトの読み込みの速さだが、Adobe PremierとAfter Effectsを見てみると、グローバルパフォーマンスキャッシュという機能がある。これは、例えばAfter Effectsが計算したものをメモリーに書き込み、あふれたぶんはストレージに吐き出す。そのため、なるべくメモリー内で済ませるために大容量が必要になる。

5Kのソースを読み込んでいるときのタスクマネージャー。一気に読み込んでいる部分もあるが、スクリーンショット時点だと530MB/sec

また、キャッシュからあふれた場合も考えると、リード2.5GB/ライト3.1GBの高速ストレージが必要になってくる。コンシューマー用途ならば演算を待っていればいいが、現場ではクライアントの前でリアルタイム作業も多く、そういったものを含めての要求スペックともいえる。

After Effectsで試しに操作をしてもらったときのメモリー消費量。最終的に200GB手前まで到達していた

逆にAutodeskの場合は、メモリー要求は少なく、ストレージスピードに偏っている。これはアプリケーションの着想の違いから生まれているものだが、Autodeskの要綱を見ると、リード・ライトともに1GB/sec以上だ。

 

GeForce GTX TITAN×4は
何に使うのか?

岡田氏のワークフロー上にあるアプリケーションはいくつもあるが、Blackmagic Design DaVinci Resolveを使用する際に、GPUを酷使するという。Design DaVinci Resolveはリアルタイム処理が前提になっており、CUDAを利用しての演算が必要不可欠なため、「GeFroce GTX TITAN」を選んだというわけだ。

Design DaVinci Resolveの画面。データを読み込みつつ、再生しながら、リアルタイムに補正処理を行っていけるというもの。当然、CPUオンリーではリアルタイム処理は厳しい

ほぼ同じスペックで「Quadro Tesla K20」があり、プロ用途を考えるとQuadroなのだが……。岡田氏としてはスペックシートを見るに問題なさそうという理由と、TITANを4枚見たかったという理由でこちらを選択したのだいう。もちろん、DaVinci Resolve以外にもCUDA対応するアプリケーションはあるため、そういったシーンでも処理時間を短くするために4枚というのも、必然的な構成だ。

本来予定になかったエクストリームタイム
TITANの4Way SLIで3DMARKを回す!

そうこうしているうちに編集部からの支援パーツが届いた。取材中にSLIブリッジのために購入したGygabyte製マザー「GA-X79-UD3」が手元にあり、かつ目の前には「GeForce GTX TITAN」が4枚ある。であれば、4Way SLIをやらねばならない! 梱包を解き、さっそく組み立てを開始した。

編集部から届いたパーツは次の通り。CPUはIntel「Core i7-3960X」、メモリー4GB×2、PLEXTOR製SSD「M5 Pro」の256GB。3DMARKを計測したいだけと言ったら、ほんとにさっぱりした支援パーツだった。

また電源はAntec「Quattro 1200」(1200W)とPOWEREX「SD-660EPS」(500W)。なぜ電源が2つなのかというと、「GeForce GTX TITAN」1枚あたりの消費電力が最大250Wだからだ。システムには別途電源を用意しないと、起動はできてもベンチマークは完走できぬぞという配慮だろう。

Antec「Quattro 1200」。PCI Expressラインにパワーキャッシュを備え、最大電力が必要な際に予備電力を投入できる機能をもつ POWEREX「SD-660EPS」。セミプラグイン形式で取り回しが楽な電源。今回はシステム用
2つの電源を使用するために購入してきたAINEXの電源検証用基板 CPUクーラーは「Core i7-3960X」に付属するインテル純正のオールインワン水冷だ
秋葉原にまな板を探しにいくも店頭在庫が発見できず、超強引なセットアップを開始。Antec「Quattro 1200」で「GeForce GTX TITAN」×4を支える作戦だ。岡田氏もノリノリであった Antec「Quattro 1200」をブックエンド代わりにするだけでは不安なので、養生テープでさらに仮補強した

※編注:TITAN4枚のバラック組みは、テンションを把握していないとボードの根っこから折れるため、良い子は真似をしないでください。

3DMARKを走らせていたところ、やっぱり養生テープが溶け始めたので、箱をスペーサー代わりに挿入。編集部から見本になるような自作をしろと怒られそうな展開である

さて、ベンチマーク結果の前に、消費電力をお伝えしよう。2系統から電源を取得した状態で、3DMARK中の消費電力は最大時で1300Wを確認した。また事前チェックでFurmarkをフルHDで回してみたところ、GeForce GTX TITAN×4に電源を供給していたAntec「Quattro 1200」のブレーカーがダウン。

そのため、GeForce GTX TITAN×3とシステムの電源をAntec「Quattro 1200」に担当させ、POWEREX「SD-660EPS」は「GeForce GTX TITAN」×1を担当するよう変更した。これにより、Furmark(フルHD)の完走と3DMARK時に起きていた電源不足と思われる謎のカクツキの大半が解消された。

では、3DMARKの結果だ。今回は取材先が映像スタジオだったこともあり、ベンチマークの様子を動画でお送りする。Fire Strike Extremeの部分のみだが、4way SLIの実力がよくわかるものだ。またSLIの使用状況もレイヤー表示してのものなので、どこで使用しているかもわかるはず。なお、ドライバーは314.22、PhysXの設定はCPUだ。

Intensity Extreme経由で録画し、H.264にエンコードしたものを掲載している。序盤、カクツキがあるのは、電源が微妙に足りていないのか、CPUがボトルネックなのか判断できず。

Fire Strike Extremeの結果。なおIce StormとCloud Gateは、シングル時と劇的な違いがなかったため、ほとんど寝ていると判断して途中でベンチマークを終了している
バイオハザード6ベンチの結果。1セクション終盤の引きのカメラアングルでゾンビいっぱいでは28fpsまで低下したが、あとは総じて70fps以上を維持
Furmarkの結果。フルスクリーン、1920×1080ドットで計測。非常にヌメヌメしていて最高だった

実質4日間、充実した
自作PCライフを満喫

ガチガチのプロ環境に耐えるハイエンド自作をチェックしてきた。チェックというよりは、自作日記の勢いだったが、映像に興味ある人にとってはなかなか楽しいソースの塊だったはずだ。趣味でやっているのであれば、今回のような構成にまでする必要はないが、やりたいことから見て減算でスペックを決めやすくなるだろう。

設置された自作マシン

また、GeForce GTX TITAN×4での3DMARKを確認できたのもラッキーだった。マルチモニター環境を考えると、3way SLIで当分安心といったところだが、そろそろ自作PC界隈にも4K2Kモニターの足音は聞こえ始めている。もちろん、まだ少し先のことだが、いずれ来るであろう環境の事前チェックデータとして役立ててほしい。

作業スぺースに今回組み立てたGPUサーバーを設置した岡田氏。ドヤ顔を決めているが、このマシンで最初にやったのはTwitterだった

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