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Line6 HX Stomp + Bias FX2 Mobileを連携する上で注意するべきポイント

CATEGORY 音楽製作

投稿日:2021年12月29日 更新日:

執筆者:

皆さん音楽していますか?
コロナの影響でバンド活動が滞っています・・・。
最近では一人で弾き語りできるようボサノバアレンジをしたりして、JPOPを楽しんだりしています。

音楽制作プロフィール
社会人1年目SNK系ゲーム音楽制作に携わり、通信カラオケのデータ作成、その後HOUSE Remixerとしてスタジオワークを経験。
浜崎あゆみ・藤井郁弥・doubleなど当時有名アーティストのSingle曲をRemixし次回発売のSingleCDに収録される。
その流れで大野雄二監修のルパンRemixにも参加しました。
その後、自曲でアメリカのダウンロード販売サイトよりデビュー。
本人の知らぬ間にiTunes内でコンピレーションアルバムにて楽曲を販売される。
Spirit of Jazz / TQS
アレンジ・Remixを中心に活動しつつ、Webに興味を持ち数々のWebサイトを制作。
現在は音楽活動もしつつ、WebクリエイターとしてWebサイト・インターネット全般・動画制作・BGM制作に従事しています。

さて今回の投稿記事は、前回ご紹介したiPhone・iPadにオーディオインターフェイスを接続する方法を使って、Line6 HX Stompと連携する場合の注意点を紹介していきたいと思います。

ただ単にケーブルで繋げるだけではちゃんとした音が鳴ってくれません。
Line6 HX Stompの癖を見抜くことに極意があります!

シリアル(直結)パターンとパラレル(SendReturn)パターンがあります。
シリアルパターンはケーブルスッキリタイプ!
パラレルパターンはゴチャゴチャケーブルですし、もう一つMIDI付きオーディオインターフェースが必要になります。

何故連携させようと思ったのか?

Line6 HX Stompを使用して、気づいたことがあります。
とにかくアンプシミュレーターの音が悪い!
アンプが使えないですw
こんなに音が悪いとは思いませんでした。

Line6はもともとアンプシミュレーターの元祖と言っても良いでしょう。
そのLine6のフラッグシップモデル的なHX Stompに搭載されているアンプがこんなに音が悪いとは・・・。
悪いという言葉は良くないですね。
他社のアンプシミュレーターの方が品質が良いと言うことです!

エフェクターを使って音質向上を試みましたが、最終出音が悪いとどうしようもありません!
スタジオなどで録音する場合と同じで、マイク入力音が悪いものをプラグインエフェクトで改善を試みても意味がないのと同じです。

ただしLine6 HX Stompのエフェクターはとても良いものが多いので、エフェクター部分は今後も使い続けたいと思っています。
アンプだけがよろしくないと・・・
なので「他社のアンプシミュレーター」を使えるようにしたいということです。

USBケーブルのみでHX StompとiPhone・iPadを接続してみる

通常の設定のままLine6 HX StompとiPhone・iPadを接続してみると・・・
音信号は次のようにルーティングされます。

Line6 HX Stomp + iPad USBルーティングによる音の流れ

上記画像はiPhone・iPadへ標準設定でつないだ場合の音信号のルーティングになります。
この場合「Line6 HX Stomp」のトータルの出音がそのままiPad(USB入力1・2)に流れ、iPhone・iPadアプリの「Bias FX2 Mobile」から「OUTPUT L//R」と「USB出力5・6」に出力されます。

「USB入力3・4」はSEND L/R出力に設定した場合に出力されます。

「USB出力5・6」は「リアンプ」する場合に使われるラインで、Line6 HX Stomp側でインプットを「USB5/6」に切り替えればインプットに設定されます。
ただし、通常のギターからのInputはキャンセルされるので弾いているギターの音は鳴りません。
リアンプのみに使える設定となります。

出音が2重になっている問題

ここで問題になるのが、「2重に音が鳴っている」という点。
これ最初は音が鳴っているので気が付きにくいんです。
どういうことかというと

  • Line6 HX Stompの出音
  • Line6 HX Stompの出音+Bias FX2 Mobileで処理された出音

上記2種類が混ざっているんです。

何故わかったかというと、「Line6 HX Stomp」側ではクリーンの出音、Bias FX2 Mobileでディストーションサウンドにした場合にシャキシャキしたクリーンの音が混じっていることで気が付きました。
本当に気づくまでに時間がかかりましたw

これらの場合「Bias FX2 Mobile」で歪み系を使用しなければ問題はないかもです。
ただし、アンプシミュレーターを通過している音と通過していない音が混じった状態になるので、少し違和感が残ってしまいます。

どうすればキレイな音の流れができるのでしょうか・・・

Line6 HX Stompの設定でできること。

対応策としては「Line6 HX Stomp」側で少し複雑な設定をしなければなりません。
問題点として

  • Line6 HX Stompの出音をBias FX2 Mobile(iPhone・iPad)のみに変更

これだけなのですが、結構厄介な設定が必要でした。

SendReturnが使えれば最高なのだが・・・

まず最初に考えたのがSendReturn。

Send/Return

先程のルーティン図解でも説明したとおり、「USB入力3・4」はSEND L/R出力されるので音はiPhone・iPadに流れます。
しかしReturnが使えません・・・。
Returnはあくまでインプット指定かOUTPUTにしかルーティングされません。

Returnはあくまでもアナログインプットしか対応していないLine6 HX Stomp

そうなんです・・・
SendReturnのReturnにUSB入力が指定できれば最高だったんです・・・
Line6様、仕様変更できないでしょうか?
Helix系は2系統のルーティングができるのでA側クランチ系・B側空間系で分けれるのでUSBルーティングで戻りをB側にすることができるんです・・・。
Helix系は高いしデカすぎるので正直いらないんです・・・。

Helixみたいに2系統ルーティングかReturnにUSB入力がHX Stompに適用されれば最強なんだけどなぁ・・・
ってことでSendReturnは選択肢から外れます。

Line6 HX Stompができる設定を考える

もう一度原点に帰って考えてみよう。
Line6 HX Stompの出音がiPhone・iPadのみ流れればよいだけなのです。
であればまず

  • Line6 HX Stompの出音をカットする

上記はOUTPUTからLine6 HX Stompの出力を無くすという考えです。
iPhone・iPadには音が流れるという前提です。

これらを理解した上でLine6 HX Stompでできることを考えると、次の2つのことでできるのではないかと考えました。

  • シリアルvsパラレルルーティング
  • Outputブロック

上記の設定で何をするかというと、通常Outputを0、Send L/Rを100。
要するに

  • PathA = 0(通常Line6 HX StompのOutput)
  • PathB = 100(iPhone・iPadに流れるSend L/R)

とすれば、Line6 HX Stompからの出力はSend L/Rだけに集中する考えです。
ちょっとややこしいですし、もっと簡単にできるかもしれないのですが、僕がたどり着いた答えは上記の設定でルーティングできました。

Line6 HX Stompの設定方法

HX Edit:初期状態
HX Edit:PathBにエフェクトをアサイン
HX Edit:PathBのOutputをSend L/Rに変更
HX Edit:Input後の「Split」を「Split A/B」に選択して「Route To」を「B 100」にする

上記図がHX Editによる設定方法です。
ややこしいですw
しかし上記のように設定するとUSBケーブル1本でセッティングできます。
しかもファームウェアが3.0以降はエフェクトの数が6個から8個に増えているので、まるまる8個エフェクターを使用することができます。

PCでも使える汎用性

実はこのセッティングはiPhone・iPadに限らずPCとの接続でも有効です。
というのもLine6 HX Stomp側で設定できる自由度がないため、USB1本だけだとこれ以外考えられませんでした。

ただし注意点としては、シリアル(直列)なので、「Line6 HX Stomp」のエフェクト → 「Bias FX2 Mobile」の流れになるので、歪み系は「Line6 HX Stomp」・歪み系+アンプ+空間系は「Bias FX2 Mobile」と言う流れが良いかと思います。

USB接続だとMIDIも同時に制御

そして、USBのみの接続法が何故オイシイかと言うことなのですが、音だけでなくMIDIも同時に制御できます!
本当にUSB1本でできます!
ケーブルが少なくなるので本当にシンプルなエフェクトシステムになります。
使えるエフェクトの数はかなりの数になります。

MIDIはPC・iOSともに共通情報です。

エフェクトセッティングの実例

Line6 HX Stomp + BIAS FX2 エフェクトセッティング例

上記画像はiOS版ではありませんが、PC版とのセッティング例です。
USBケーブル1本で左から右へのエフェクトルーティングが可能となります。

あとは「ギター → Line6 HX Stomp → スピーカー等」にシールドで繋げば音が鳴ります。
しかも極上でパワフルなサウンドです。

そしてセッティング次第では、コントロールチェンジもLine6 HX Stompのプログラムを変更することで同時に変わってくれるのでLine6 HX StompとiPhoneもしくはiPadがあれば、レコーディング・Liveにも対応可能です。

何故「BIAS FX2」を選択したのか

iOSのギター系アプリは色々あります。
その中でも「BIAS FX2 Mobile」を選択した意味なのですが、PC版と同期が取れることが大きいです。
そして今回の目的でもあるアンプシミュレーターの精度がかなり高いということも、もう一つ大きな要因です。
エフェクターも使えるものが多く、単体でも十分の性能を持っています。

実際バンド練習でiPad+BIAS FX2+Babyfaceだけで練習したことがありますが、BabyfaceのOutputをMarshallのReturnに接続してみましたが、かなり良い感じでした!

アンプシミュレーター部分ですが「Celestion Modern Vintage Pack」を追加導入しています。

BIAS FX2 Celestion Modern Vintage Packの選択画面
Celestion Modern Vintage Pack選択後マイク選択とマイク位置調整画面

これはCelestion社が自社でモデリングしているスピーカーIRです。
PC版の「BIAS FX2」で適用して「Tone Cloud」というセッティングを共有するサービスにアップロードすることで、iOS版の「BIAS FX2 Mobile」で読み込むことができます。

Tone Cloud
Tone Cloud「PedalBoard」で世界中の有志のセッティングをダウンロードできる

実際にiOS版で読み込ませるとほとんど同じ音で鳴っています。
この音を簡単に持ち歩くことができるんです。

BIAS AMP2を併用すれば音色をもっと追い込める

しかも「BIAS AMP2」を併用することでアンプの細かな調整もできます。

真空管の種類を変えたり、それこそBIASをいじったり。
かなりこだわった調整ができるので、オンリーワンのAmpを自作することもできます。
BIASを選択したのは自由度の高いカスタマイズができる点でした。

プラスMIDI Foot Controllerで各エフェクタースイッチング可能

今までのセットにMIDI Foot Controllerをプラスすれば、各エフェクターのオンオフが可能になります。
プログラムチェンジも自由に設定できますし、Line6 HX Stompのエフェクト切り替えはScene切り替えできるのでFoot ControllerのON OFFはBIAS FX2に集中的にできます。

ペダルも付けれるのでワウペダルも設定できるので楽々です。
Line6 HX Stompはペダルを動かすだけでワウのON OFFをする設定方法があるのでとても便利です。
Valueが「0」の時はOFF、Valueが「0以外」の時がON、と言った設定ができます。
何気に便利な機能です!

マイセット内容公開!

TQS エフェクターシステム

ギターからIKマルチメディアの「Z-TONE」に入っています。
余談ですが、Line6 HX Stompでもインピーダンス(入力の音量と思ってくれても良いかも)を合わせてくれるのですが、Z-TONEと併用すると本当に良い音になりますw
スルーするとかなりイマイチ感が出てくるので、このペアはマストとなっております。

マイセットMIDI Foot Controllerの役割

MIDI Foot Controllerのセッティング
  • ABCD:プログラムチェンジ
  • 1234:各エフェクターON OFF

としています。
各エフェクターのON OFFは選択したプログラムごとに、Line6 HX Stomp・BIAS FX2両方のエフェクターをON OFFするかを設定できるのでかなり便利です。
Line6 HX StompはSceneセレクトができるので、大体はBIAS FX2のエフェクターのON OFFに使っています。

デメリット部分として

  • シミュレーターなので本物には勝てない
  • エフェクターの種類が多すぎて何を使ってよいかわからない
  • プログラムごとの音量がスタジオと自宅での違いすぎる
  • シリアル(直列)接続になるのでLine6 HX StompとBIAS FX2の順番は変えれない
  • Line6 HX Stompの空間系は使いにくくなる

デメリットと言ってよいのか分かりませんが、あくまでもシミュレーターなので本物ではありません。
各Ampやエフェクターをシミュレートして、それっぽくしているのですが、やっぱり「本物の質感」には勝てないのは当たり前です。
ですが、逆に「そういうもの」だと考えると種類の豊富さはがメリットになります。

その上で逆に種類の豊富さはメリットなのですが、何を選んでよいのか分からなくなることがありますw
これはもう少し使いこなしていくことで、その場面ごとの音を作ることで対応する方向です。

プログラムごとの音量差は、こればっかりは慣れるしかないです・・・
自宅で音量を揃えても、大音量の場面では全く違って聞こえるものです。
なので現場ごとに音出し時点で音量差を合わせておくのをパターン化しておけば問題ないかと思います。

接続順については、これももう仕方ありませんw
最小セットで大規模なシステムを組みたい場合はUSBケーブル1本が楽です。
ゴチャつくのも見た目がよろしくないでしょう。

Line6 HX Stompの空間系は使おうと思えば使えますが、Reverbの次にBIAS FX2の歪が来ると濁って聞こえるのでオススメはしないです。
Chorus等Modulation系は使えますし、Delayも使えます。
Reverbでも大ホールなど余韻の長いもの以外であれば使えるかもです。

アナログでの接続例

接続順をある程度標準的にしたい場合はアナログになります。
特にLine6 HX Stompの空間系が活躍できるようにしたい場合は下記の方法になるでしょう。

必要なものとして

  • iPhone・iPad用のMIDI対応オーディオインターフェース
  • 順番を変えれるパッチコントローラー
  • 必要数のシールド
  • MIDIケーブル

最低上記の機材は必要かと思われます。
パッチコントローラーは必要ではないかもですが、ある程度接続順は決まってしまいます。
アナログで繋ぐ最低セットでの接続順として

  1. ギター
  2. Line6 HX Stompエフェクター(歪み系)
  3. Line6 HX Stompのセンド
  4. BIAS FX2(歪み系→Amp→スピーカー→空間系)
  5. Line6 HX Stompのリターン
  6. Line6 HX Stompエフェクター(空間系)
  7. スピーカー

という流れになります。
この流れであればある程度種類ごとにエフェクターを並べることができます。

まとめ

以上「Line6 HX StompとiPhone・iPadのUSBケーブル1本での接続例」はいかがでしょうか? 
思ったよりも簡単だったと思います。

Ampもエフェクターもかなりの数を使用できるので無限に組み合わせできます。
USBケーブル1本での接続のメリットはスッキリして良いのもありますが、ノイズがほとんど乗らないということにも一役買っています。

Line6 HX Stomp以外の製品でiOSに繋げれるものがあるかは知りませんが、もし繋がるのであればご自身のiPhone・iPadをエフェクター・Ampの拡張機材として使えるのでトライしてみてください!


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